2024-2027 日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究B
個人の意識は一見統一されているように感じられるが、実際には約1000億個の神経細胞の高度な統合により形成されている。これらの神経細胞は様々な機能モジュール(視覚、味覚、運動など)を構成し、自律神経系をはじめとする多くのシステムが自動的に作動している。近年の脳機能イメージング研究によって、これらの神経細胞ネットワークが自発的に活動すること、そして特定の疾患(例:エイリアンハンド症候群)を通じて、左右の脳が異なる意思決定をする可能性があることが示されている。これは、一つの個体内で複数の感覚・意思決定主体が存在する可能性を示唆している。
これらの知見に基づき、本研究では「意識は並列的に作動する脳内ネットワークの相互作用によって生じる」という仮説を立て、新しい解析方法でその検証を試みる。特に、回帰分析の自然な拡張として、多数の全結合層からなる深層学習モデルを用いることにより、ネットワーク間の協調的・疎外的相互作用をモデル化し、意識の遷移プロセスを可視化し、ネットワーク間の相互作用と個人の意識・行動との関係を明らかにする。
これらの知見に基づき、本研究では「意識は並列的に作動する脳内ネットワークの相互作用によって生じる」という仮説を立て、新しい解析方法でその検証を試みる。特に、回帰分析の自然な拡張として、多数の全結合層からなる深層学習モデルを用いることにより、ネットワーク間の協調的・疎外的相互作用をモデル化し、意識の遷移プロセスを可視化し、ネットワーク間の相互作用と個人の意識・行動との関係を明らかにする。