MultiSense Foundation Team(マルチセンス・ファンデーション・チーム)は、「人々の想像力を具現化できるプラットフォーム技術」の開発に取り組んでいます。具体的には、脳信号を含むマルチモーダルな生体情報信号を組み合わせて、誰もが直感的に複数のロボットやバーチャル上のアバターを操作できるようなプラットフォームの構築を目指しています。また、研究開発のマイルストーンとして一般の方が体験できるプロトタイプの開発も進めており、より広くBMI技術の可能性を体験できる機会を提供していきます。
本チームはムーンショット目標1金井プロジェクト「Internet of Brains(以下IoB)」に参画しています。

KEY WORDS
#BMI #BMI-CA #OpenCA #MoonshotResearchAndDevelopmentInitiative

概要

BMI-CAプロトタイプの開発

現在、MultiSense Foundation Teamは、BMI(ブレイン・マシン・インターフェース)を用いて直感的に複数のCA(サイバネティック・アバター)を操作できるようなBMI-CAプラットフォームのプロトタイプの開発に取り組んでいます。このプロトタイプでは、マルチモーダル(脳波、心電、視線、音声など)な生体情報信号を組み合わせて、使う人の特徴・目的に最適化されたオリジナルのUI(ユーザー・インターフェース)を設計して、ロボットやアバターを自由に操作することを目指しています。

また、ムーンショット目標1の他プロジェクトで構築しているソフトウェア基盤と連携することで、インターフェースとしてのBMIを提供することが可能になります。

BMI-CAプラットフォームの研究開発を進めて社会実装していくには、技術面だけではない多くの課題が存在します。特にELSI(法的・倫理的・社会的課題)を解決して安全で安心できるプラットフォーム開発を進めていくためには、将来ユーザーとなる一般の皆さまからのフィードバックが重要です。そこで、研究開発中のプラットフォームを実際に使用する体験を通して、一般の皆さまからフィードバックいただけるようなコンテンツを制作し、ワークショップなどの機会を設けることで、研究の方向性を常にアップデートしていく体制を準備中です。

Conclusion

MultiSense Foundation Teamでは、人々の想像力を自由自在に具現化できるような、革新的なユーザーインターフェースを開発していきます。身体の訓練がなくても直感的に操作できるインターフェースを構築して、すべての人が用途や身体的な特徴に関係なく、目的に合わせて技術を活用し、より自由に活躍できる社会を実現します。

Members

Kan Akutsu
阿久津 完
リサーチチームリーダー
2012年に東京大学大学院で修士(情報理工学)取得。その後株式会社ディー・エヌ・エーでソーシャルゲームの企画、開発、株式会社ZEALSでは人事及びプロダクトの企画、開発をリード。 2023年6月にアラヤに入社。主にBMI向けの開発基盤作りに取り組んでいる。
Sarah Cosentino
Sarah Cosentino, Ph.D.
チーフリサーチャー
アラヤの主任研究員。ミラノ工科大学で電子工学の修士号を取得し、早稲田大学でヒューマンロボットインタラクションに関する博士論文を執筆し、博士号を取得。ヴルカヌス・イン・ジャパンおよび文部科学省奨学の卒業生、元早稲田大学准教授。現在の研究対象は、複雑系理論、行動認識と自然なヒューマン・マシン・インターフェースのための生理学的信号分析など。
Ángel_Muñoz_González
Ángel Muñoz González, Ph.D.
チーフリサーチャー
アンヘルは、2020年にバイオメディカルエンジニアリングの修士号と応用物理学および数学の修士号を取得しました。その後、芝浦工業大学の生体通信工学 研究室で博士号を取得し、EEG信号を使用した脳コンピューターインターフェースと感情反応を研究し、2023年に卒業しました。その後、ヘルステックスタートアップの株式会社Splinkに勤務しました。2024年にアラヤに入社しました。彼の研究分野には、特に脳信号に焦点を当てた、ヘルステックアプリケーションへの生理学的情報の実装が含まれます。
松本 慶太
リーダー
アラヤの建設部門とNeuroAI部門のチームリーダーも務める。早稲田大学大学院情報理工学研究科修士課程修了後、画像を用いた物体の3次元形状再構成に関する研究を行う。その後、総合電機メーカーの三菱電機株式会社でソフトウェア開発・研究開発に従事した後、2019年にアラヤに入社。入社以来、強化学習や模倣学習を用いた研究開発、予測符号化モデル、建設機械の自動化、OSS(OptiNiSt)の開発に従事。
Ates Eren Dogus
Ates Eren Dogus
Product Development Manager
Eren earned his Bachelor of Engineering in Computer Engineering from Beykent University in Istanbul in 2011. He worked as Team Lead, Staff Computer Engineer in Avatarin for 3 years and he was responsible for design and develop an SDK for remote controlled robots. He is now contributing to next-generation avatar robotics and human-augmentation technology at Araya. His area of interests are robotics, embedded software and game development.
吉田 暁人
リサーチャー
2022年に東京大学大学院で修士(情報理工学)を取得し、アラヤに入社。脳・身体・環境の相互作用による人間らしい知能の発達過程に興味を持つ。Brain-Machine Interfaceプラットフォームの開発や、自由エネルギー原理を用いた神経活動データ解析に取り組んでいる。