現在のAIシステムと人間の知能の間には大きな隔たりがあります。近年のディープラーニングの発展を追いながらメタ認知活動に着目して知能を研究し、最終的には3つのアプローチでその具体的な実現を目指します。イントロスペクション、コンストラクティヴィズム、ニューロサイエンスの3つのアプローチで、その具体化を目指します。

KEY WORDS
#メタ認知
#ディープラーニング
#インテリジェンス
#認知神経科学

Highlights

Metacognition and Curiosity for Efficient Exploration

多くのタスクは世界でも報酬がまばらである。しかし、疎な報酬を求めるランダムな探索は計算量が多い。人間のエージェントは、疎な報酬を求めることで効率的に世界を探索する。我々は、このような効率的な探索戦略の重要な要素として、メタ認知と好奇心に着目している。我々は、メタ認知にアプローチするための経験値サンプリング手法を提案した[1,2]。また,経験サンプリング法を用いて,内観的経験を効率的に収集することを実証した.また、このような効率的な探索アルゴリズムのための好奇心の神経機構や、メタ認知との関連について調べています。
[1] Niikawa, T.*, Miyahara, K., Hamada, H.T., Nishida, S. (2020) A new experimental phenomenological method to explore the subjective features of psychological phenomena: its application to binocular rivalry. Neuroscience of Consciousness, 2020 (1), niaa018. https://doi.org/10.1093/nc/niaa018
[2] Miyahara, K.*, Niikawa T., Hamada, H.T., Nishida, S. (2020) Developing a Short-term Phenomenological Training Program: A Report of Methodological Lessons. New Ideas in Psychology. 58.
https://doi.org/10.1016/j.newideapsych.2020.100780

Logical Tasks for Measuring Extrapolation and Rule Comprehension

人間のさまざまな活動において論理的推論は欠かせない。論理的な課題の筆頭として、しばしば数学が取り上げられる。GPT-3をはじめとした大規模言語モデルのアプローチはさまざまな分野で成果を上げているが、初等算術タスクに対する精度は限定的であり、ニューラルネットによる数的処理は未だ困難であることが知られている。一方で、算術課題は人間によっては十分理解されているために、特定の課題に注目しそれを解くシステムは容易に構築できてしまう。本論文では、これらの状況を概観した上で、我々が提案する算術課題を含むより広いクラスの論理タスクの特徴づけについてと、関連する事項として外挿と説明可能性についても議論する。我々は、論理タスクが論理的処理を行うための良い帰納バイアスを見つけるために役立つと期待している。

Fujisawa, I., Kanai, R. (2022), Logical Tasks for Measuring Extrapolation and Rule Comprehension, arXiv.https://doi.org/10.48550/arXiv.2211.07727

Members

藤澤 逸平 Ph.D.
リサーチチームリーダー
2016年に北海道大学にて理論素粒子物理学の博士号を取得。研究テーマは、深層学習、コンピュータビジョン、メタ学習。
濱田 太陽 Ph.D.
リサーチチームリーダー
アラヤの研究チームリーダー。2019年に沖縄科学技術大学院大学(OIST)でシステム神経科学の博士号を取得。研究テーマは認知神経科学、計算神経科学、意識の現象学。
Yi-Chen Lin, Ph.D.
プロダクト開発リード
2019年に国立陽明大学にて博士号を取得。研究テーマは認知神経科学とニューロイメージング。